





ITジャーナリスト。
1979年からパソコン動向に関心を持ち、1990年から本格的な取材と執筆活動を開始。スティーブ・ジョブズ復帰や初代iPod発表も直に取材した。アップル社やGoogle社の企業動向の分析をはじめ、ブロードバンド化やブログ、SNSといった新トレンドにも早くから目をつけ多くの記事を手がけてきた。最近では、グローバル化を迫られる日本企業に、シリコンバレーの起業家の考え方やノウハウを伝えることをミッションの1つとしている。主な著書に『iPhoneショック』(日経BP)、『スティーブ・ジョブズ』(アスキー)など。




検索サービスはGoogleを使うことが多いのですが、Googleの検索履歴の表示機能を使って、過去2年間の検索回数を調べてみたところ、検索頻度がちょっと下がっていました。これは想像でしかないんですが、その理由として、Twitterの影響が非常に大きい気がしています。
僕自身も今年に入って色々講演をしていて、キーワード検索の次に何が来るのかという話をするのですが、そこで「人間が離れられない3つの軸」が大事なのではないかと言っています。
1つ目は『時間軸』。昨日起きた事件より、まさに今起きている事件の方が関心があるし、昨日のスポーツの試合より、今進行中の試合の方が関心が高い。ブログがまさにそれで、以前は時系列に過去から現在へ情報を並べた方が読みやすいと思われていたのが、最新の記事を上位に表示するブログが登場して以降は、急に後者の方が情報として読みやすいという風に関心を持たれるようになった。
その次に『親密軸』。全然知らない人が巻き込まれている事件と自分の友達が関係している事件では、後者の方が関心が高いし、レストランにしてもただ検索結果で出てきた無機質な検索結果と、友達が薦めてくれたレストランとでは、全然後者の方が価値が高い。ちょうどそれに合わせるよう にしてソーシャルネットワーキングサイト(SNS)が出てきて、SNSもブログと同様、基本的な情報の並びは時系列と逆で、中でも特に親密軸が高い情報をフィルタリングして表示するようになった。
そして、最後に『空間軸』。例えば今鎌倉で起きている事件よりは、(ネイバージャパンのオフィスがある大崎に近い)品川で起きている事件の方が興味があるし、今この大崎で起きている事件の方がもっと関心が高い。特に2008年にiPhoneでTwitterを使えるようになって以降、急に可能になってきた。2007年時点でのTwitterは、まだパソコンベースで文字情報主体だったのが、2008年にiPhoneでTwitterを利用できるようになって以降、誰かが「渋谷なう」とつぶやくと、じゃあ俺も渋谷にいるから会おうか、みたいなことができるようになった。また、一部のiPhoneクライアントではGPSを使って半径2キロ以内のつぶやきだけ表示することができるようになったことで、「今大崎駅で電車が遅れている」という見ず知らずの人のつぶやきを見つけることができるようになってきた。
特にTwitterを中心に、この3つの軸が今後大事になってくると考えていて、中でもカギを握っているのが『親密軸』ではないかと思っています。


GoogleにしてもYahooにしてもNAVERにしても、今後どういう風に変わっていくかという部分は未知数なので、サービスが今のままの形で提供され続けたらという話になりますが、検索精度が高いと言われている検索サービスでもなかなか欲しい情報にたどり着けないことが増えてきています。例えば、新しい情報やニュース、公式HPなどは見つけやすいですが、いざ何かの設定方法、iPhoneの基本の設定方法やメールの設定を知りたい、といったときは、90年代に話題になった「検索の鉄人(※1997年・98年に全国で実施されたインターネット検索コンテスト/初代優勝者は、現ネイバージャパンの関裕司)」くらいキーワード検索のノウハウがないと見つからないのが現実です。
そういったなかで、これからは対話型の検索が重要になってくると思います。新しい情報検索手段としてTwitterに注目している理由は、140文字でコミュニケーションとしてのコストが非常に低いからです。質問する方も気楽だし、答える方も140文字では詳細まで細かく教えることができないので、わざわざ検索して完全に固めてから答えるのではなく、気楽に、いまその瞬間に答えが頭に入っている人だけが答えてくれます。だから成り立っているんじゃないかなと思います。
しかも、そういった求めている形に近い情報の獲得が、iPhoneなどの携帯電話を使うことで、いつどこにいても、行えてしまう。
もちろん、これまでもiモードを使って定形式の、あらかじめ用意されたひな形にはまった情報を引きだすことはできました。でも、そういったデーターベースの書式にあわせて情報を引き出すのは意外に面倒くさい。人間にとって一番簡単なのは、例えばNokiaがやっているVERTUがやっているような、ヒューマンなアプローチです。コンシェルジュを呼び出して「1時間後に座敷を開けられるお茶屋があるか?」とか「今から泊まれるヘリポートのあるホテルを取っておいて」など、コンシェルジュに聞いて「じゃあ、予約しておいて」と、丸投げしてしまう。それが一番いい。電車に飛び乗る寸前に、あわててiモードのメニュー画面を選択しているよりもコンシェルジュに託してしまった方が速いんです。
結局これまでの検索サービスがやってきたことというのは、チープ革命に過ぎません。今後テクノロジーの進歩によってチープ革命の部分をもっとヒューマンにできるところもあると思いますが、それはまだまだ先だと思うので、うまい具合にチープな部分と知識検索などのヒューマンな温もりのある検索を融合していけるといいかなという気がしています。






いただいたご意見は、NAVERのサービス向上のための貴重なご意見として、NAVERスタッフが
検討・改善していきます。

![]()
素敵な建築を見て、その中にいる自分を想像するだけで、結構、いいインスピレーションが湧いてくる。
![]()
美術館に収まっているものだけがアートではない。ここ数年、日本では面白いアートプロジェクトがたくさん立ち上がっているけれど、美術館イベント以外は情報収集しづらかった。それがまとまっているのは嬉しい。
![]()
欧米人は名言集が好きで、本もWebサイトもiPhoneアプリもたくさんある。日本でもさまざまな有名人や作品に素敵な名言があるのだから、もっとこういうまとめがあっていいと思う。